人々は、ショッピングからゲーム、各種のコミュニケーション、そして行政手続きに至るまで、生活の多くをインターネット上の仮想世界<OZ(オズ)>で行うようになっていた。
ある夏の日、友人の佐久間とともに<OZ>の保守のアルバイトをしていた高校生・健二(けんじ)は、あこがれの先輩・夏希(なつき)から、一緒に彼女の田舎まで旅行をするという「バイト」に誘われる。
長野の夏希の実家・陣内家(じんのうちけ)は、戦国時代から続く名家で、曾祖母の栄(さかえ)ばあちゃんを筆頭に個性豊かな面々がそろったエネルギッシュな大家族。
バイトの内容は、この家族たちの前で夏希のフィアンセ役を演じるというものだった。
その夜、健二の携帯電話に数百の数字が羅列した暗号らしきメールが届く。数学が得意な健二は、徹夜で解答を導き出した。
翌朝、<OZ>のセキュリティが何者かに破られ、現実とOZ、二つの世界が大混乱に陥る。健二は一時、その犯人と疑われるが、真相は、「ラブマシーン」というインターネット上の人工知能が巻き起こしたことだとわかる。
しかもラブマシーンの元を作ったのは、陣内家の問題児・侘助(わびすけ)だったのだ。
侘助は、栄に認められたいという一心で開発に取り組んだのだが、結果として「ひとさま」に大きな迷惑をかけたということで、栄や陣内家の面々から非難を浴び、姿を消す。
いったんは栄の持つ幅広い人脈によって騒ぎは収まったかに見えた。
しかし栄は心臓発作で急死し、ラブマシーンの狡猾な挑戦はエスカレートしていく。
健二や<OZ>の格闘ゲームのチャンピオンである佳主馬(かずま)ら男性陣が弔い合戦を挑むが、敗北。ラブマシーンは、報復として、小惑星探査機を世界中のどこかの原発に落とすと脅しをかけてきた。刻々と落下時間が迫る。
「まだ負けてない」
健二の言葉と栄の残した遺言に勇気づけられた一家に、夏希が説得して呼び戻した侘助も参加。
ついに、陣内家とラブマシーンとの世界の運命をかけた戦いが始まった。